設計を依頼するときの落とし穴!大半が見落とす重要ポイントとは

皆さんは「設計」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
製造業をはじめモノづくりに関わる企業に存在する設計職という職種。
何かを設計したいけれど、設計する方法が分からない…そんな時は設計を依頼する、という方法があります。
今回は設計を依頼することについて何を気を付けたらいいのか知りたい、とお考えの方向けに
・設計とは
・設計を依頼するメリット
・設計を依頼するデメリット
・設計を依頼する時のポイント
などを解説します。
設計することを業者に依頼したい、とお考えの方はぜひ最後までご覧ください。
設計とは

設計(せっけい、英: design)とは、建築物や工業製品等といったシステムの具現化のため、必要とする機能を検討するなどの準備であり、その成果物として仕様書や設計図・設計書等、場合によっては模型などを作ることもあります。
広義には社会的な機構・組織・制度、機械・器具などを組み合わせて、特定の目的を達成するためのシステムを作り上げる知的作業を指し、設計という言葉は主に工学の分野で用いられています。
ここでは、
・設計の重要性
・設計の種類
について解説します。
設計の重要性とは
設計は、物を作る上で「どうやって作るか」を考える土台となるため非常に重要です。
設計は「計画を立てること」です。
何を作りたいのか、どのように使うのか、どれくらいの材料や時間が必要かを決めることで、効率よく完成させることができます。
また、設計がしっかりしていると、問題が起きにくくなり、修正も簡単にすることが可能です。
逆に、設計が甘いと、製品が壊れやすくなったり、使いづらかったりする可能性もあるのです。
だからこそ、きちんと設計することは、物の完成度を高める鍵になります。
設計を大事にすることで、時間やお金の節約にもつながり、より良いものを作れるようになるでしょう。
設計の種類とは
ここでは、設計の種類について以下の項目を解説します。
・建築設計
・製品設計
・設備設計
・機械設計
・ソフトウェア設計
・3D設計
それぞれを詳しく見ていきましょう。
建築設計
建築設計とは、建築物を設計するためのプランを考案し、そのプランの作図を行う職種です。
建物の設計には「意匠」「構造」「設備」の3つの要素があり、建築設計はこの3つの総称を指します。
これらの設計は複数人で行う場合が多く、基本的には設計者の中でも「意匠設計」「構造設計」「設備設計」というように分業して行います。
なお、一級建築士などの資格を目指す方はこれらすべての知識が必要になるため、建築設計者を目指す人は、まずは幅広く学習した上で自身の得意分野を伸ばすとよいでしょう。
また、建築設計の他にも「土木設計」があります。これは橋梁、道路、ダムなどのインフラ設備に特化した設計で、建築設計とは設計対象物が異なります。
建築設計はあくまでもビルや商業施設などの「建築物」を設計する仕事なので、混同しないようにしましょう。
製品設計
製品設計は「不特定多数に販売するような機械を設計すること」を指します。
例えば、スマートフォンや自動車そのものの設計などがこれに該当します。
設計対象の製品の中には、B2C(一般消費者向け)のものもあれば、B2B(企業向け)のものもあります。
自身が設計した製品を多くの人に認知してもらいたい、使ってもらいたいと考える人は、B2C向けの製品設計に携わる人が多いです。
また、製品設計の場合、設計対象となる機械のサイズは比較的小さいことが多いです。
不特定多数に販売される製品は、大きくてもせいぜいバスやトラックぐらいになります。
さらに、1つの製品の中でも構成部位ごとに設計担当が分かれていることも多いです。
例えば、自動車を例に挙げると、シャシー、トランスミッション、エンジン、インテリア、エクセテリアなどの部位がありますが、基本的にそれぞれ別の企業や別の部署で設計開発が進められています。
そのため、製品設計の場合は、1人の設計者が担当するのは1機種の機械の中でもごく一部になることも珍しくありません。
設備設計
設備設計とは「生産設備を作るための機械設計のこと」を指します。
例えば、スマートフォンを製造するためには各パーツの製造、搬送、組み立て、洗浄、検査など、複数の工程が必要になりますが、こういった複数の工程を自動的かつ効率的に処理するために導入される機械が生産設備であり、その機械の設計を設備設計と呼ぶのです。
設備設計の場合はほぼ100%がB2B向けであるため、自身が設計した機械が世の中に広く認知されるケースは非常に少ないですが、製品設計にはない魅力もあります。
設備設計の場合、製造する製品の大きさや要求される性能により機械のサイズはピンキリです。
例えば、小型の製品を半自動(材料のセッティングなど、一部の作業を人が行う想定の機械)で検査する装置でしたら6畳ぐらいのスペースに収まる大きさの機械になります。
一方で、自動車部品の組み立てラインなどのような全自動の生産ラインとなると、長さが何十メートルにも及ぶ巨大な機械になることもあります。
さらに、設備設計の場合は1人の設計者が担当する範囲は製品設計と比べて広いことが多く、部品点数で数百点規模になるような設計を1人で担当することも珍しくありません。
ただし、プロジェクトによっては1つの機械の設計を複数人で担当し、設備の機能ごとに分かれて設計を進めていくこともあります。
機械設計
まず「機械」とは、一般的に「動力を受けて、目的に応じた一定の運動・仕事をするもの」とされています。
身近な機械の具体例としては、冷蔵庫や洗濯機・自家用車などが挙げられます。
また、普段目にする機会は少ないですが、農業用機械・医療用の精密機械・プラントの大型設備などの工業用途、PCやスマートフォンなどの情報処理用途の機械と、さまざまな業務用機械も存在します。
そして「設計」とは、「建造物の工事、機械の製造などに際し、対象物の構造・材料・製作法などの計画を図面や文書に表すこと」とされます。
つまり「機械設計」とは、「動力を受けて、目的に応じた一定の運動・仕事をするもの(機械)に対して、構造・材料・製作法などの計画を図面や文書に表す行為」と言えるのです。
近年では、先の具体例に挙げたほとんどの機械が「メカトロニクス」という技術分野に位置します。
メカトロニクス(mechatronics)とは、機械工学(mechanics)と電気工学(electronics)を掛け合わせた合成語で、機械工学分野の機器にICなどの電子工学分野の部品を搭載し、多機能・高性能な機器開発を目的とした技術分野です。
電気(制御)設計が、このメカトロニクス分野において機械に「魂」を吹き込む位置付けにあるとすれば、機械設計は外見やサイズなどの「器」をデザインする位置付けにあると言えるでしょう。
ソフトウェア設計
ソフトウェア設計とは、開発するソフトウェアに実装する機能を実現するための、具体的な構造を決めることです。
具体的な構造を決めることで初めて、開発するソフトウェアの製品としての形が明らかになります。
構造が曖昧なまま開発してしまうと、最終的に完成するソフトウェアの形がイメージできません。
完成形がイメージできない状態では、ソフトウェアの品質も明確にならないため、品質を保証するのが難しくなります。
ソフトウェア設計では、開発するソフトウェアの構造を明確にすることで品質を作りこむのです。
つまり、ソフトウェア設計の目的とは、開発するソフトウェアの品質を決めることと言っても過言ではないでしょう。
ソフトウェア開発では、プログラミング言語を中心とした幅広いITの知識が求められます。
プログラミング言語だけでなく、開発周辺の知識やOSに関する知識も欠かせません。
3D設計
3D設計とは、3D CADや3Dモデリングソフトなどを用いて、3次元での設計を行うことです。
平面図を作成する2Dの設計とは異なり、高さ・幅・奥行きを持たせた立体的な設計図を作成します。
近年では、3Dモデルの活用がさまざまな分野で広がるにともない、3D設計の導入も増えてきています。
設計を依頼するメリット

ここでは、設計を依頼するメリットについて解説します。
具体的には以下の通りです。
・コスト削減
・専門的な知識・技術の活用
・必要なときに専門的なリソースが確保できる
それぞれを詳しく見ていきましょう。
コスト削減
経験豊富な外部の技術者に設計を委託すると、必要な人件費や設備費が削減可能です。
内部で何らかの設計を行う場合、短期間でのスキルアップや設備の導入が必要で、コスト増につながります。
たとえば、新しいCADソフトウェアの購入や研修が必要になる場合、そのコストは見過ごせません。
設計作業を委託することで、企業はより重要な業務にフォーカスでき、経営資源を効率的に使うことができるでしょう。
専門的な知識・技術の活用
設計を委託すると、技術者により最新の知識と技術で設計を行うことが出来ます。
この専門的な知見は、内部のスキルセットにはない場合が多く、製品品質の向上が期待できるでしょう。
例として、新しい材料の活用や、効率的な製造の流れを見つけられるなどが挙げられます。
このような専門的な知識と技術の活用は、製品の品質とイノベーションを高めるために不可欠です。
必要なときに専門的なリソースが確保できる
設計者を社員として雇用し育成していく場合、一人前になるまでには長い時間と膨大な投資が必要です。
しかも、様々な意味で高いリスクが伴います。
加えて、社員はかけがえのないリソースですが、固定費という側面があり、閑散期の余剰雇用は経営を大きく圧迫することにも繋がりかねません。
設計にあたっては、外部に依頼することで、固定費を変動費へ変えることができ、必要なときに専門的なリソースの確保ができ、延いてはコスト削減へつなげることができるでしょう。
特に前項で紹介した各種設計の中で「3D設計」は、様々な分野で活用される反面、専門的な知識が非常に重要になってきます。
3Dの分野で何らかの設計を考えていらっしゃる方は、メリット、デメリット面を考えて、専門業者に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。
設計を依頼するデメリット

ここでは、設計を依頼するデメリットについて解説します。
具体的には以下の通りです。
ここでは、設計を依頼するデメリットについて解説します。
具体的には以下の通りです。
・費用が掛かる
・自分の期待を100%実現してもらえるとは限らない
それぞれを詳しく見ていきましょう。
費用が掛かる
設計を依頼したり外注すると、数万円~数百万円の費用が掛かります。
設計の工程には時間を要することも珍しくなく、膨大な工数を加味した費用設定がされているためです。
そのため、自分の要望を実現するのにどれくらいの費用が掛かるのかはあらかじめ考えておきましょう。
自分の期待を100%実現してもらえるとは限らない
自分の期待やこだわりを100%反映できない場合もあります。
見積もり当初に想定していたスケジュールをオーバーすると追加料金を加算されたり、無料で修正できる回数に制限が設けられたりしているからです。
期待していた内容と最終的な納品物に大きなギャップが生じないよう、自分がこだわってほしいところは全て指示書を介して詳細に説明し、どこまで実現可能か設計者とよく話し合う必要があります。
設計を依頼する時のポイント

ここでは、設計を依頼する時のポイントについて解説します。
具体的には以下の通りです。
・費用の安さだけにこだわらない
・実績を確認する
・見積もりの丁寧さ
それぞれを詳しく見ていきましょう。
費用の安さだけにこだわらない
設計を依頼する際、費用の安さに惹かれることは自然です。
しかし、それが最善の選択肢であるとは限りません。
設計費が安い理由は、経験不足や必要なスキルの欠如にある場合が多く、最終的な品質に影響を及ぼす可能性があります。
実績を確認する
設計を依頼する前に、候補となる設計会社や個人の設計者の過去の実績を確認することが非常に重要です。
実績は、その業者の技術力やクリエイティブ性、対応可能な作業範囲を理解するための鍵となるでしょう。
見積もりの丁寧さ
設計は専門性の高い仕事であり、設計・製作の工程などについてお客様が詳細に把握することは難しいです。
そのため、見積もりが丁寧な業者に依頼することをおすすめします。
見積もりの詳細を丁寧に説明してくれる業者であれば、作業内容を詳しく知ることができ、納期や費用についても細かく把握することが可能になるでしょう。
また、見積もりが丁寧な業者は設計・製作における実際の作業も丁寧に行っていると予想することができます。
業者を選定する際は、見積もりを依頼したときの対応をチェックするといいでしょう。
まとめ

今回は設計を依頼することについて何を気を付けたらいいのか知りたい、とお考えの方向けに
・設計とは
・設計を依頼するメリット
・設計を依頼するデメリット
・設計を依頼する時のポイント
などを解説しました。
建築設計や機械設計を始め、3D設計では依頼することによるメリット・デメリットがあります。
自分たちで設計することを考えられるのもいいですが、深い専門知識が必要になるため、外部の専門建築者に依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。
これから3Dモデル等の制作依頼を考えている方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。