設計とは?建築設計や機械設計など内容を解説
皆さんは「設計」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
製造業をはじめモノづくりに関わる企業に存在する設計職という職種。
この設計について、分かっているようで詳しくわかっていない方も多いのではないでしょうか。
今回は「設計」についてその意味をしっかり理解したい、という方向けに
- 設計とは
- 設計の重要性とは
- 設計の種類とは
- 機械設計では3Dプリント技術が活躍
などを解説します。
モノづくりに必要な「設計」について詳しく知りたい、と考えている方はぜひ最後までご覧ください。
設計とは

設計(せっけい、英: design)とは、建築物や工業製品等といったシステムの具現化のため、必要とする機能を検討するなどの準備であり、その成果物として仕様書や設計図・設計書等、場合によっては模型などを作ることもあります。
広義には社会的な機構・組織・制度、機械・器具などを組み合わせて、特定の目的を達成するためのシステムを作り上げる知的作業を指し、設計という言葉は主に工学の分野で用いられています。
設計の種類としては、建築設計、建築構造設計、建築設備設計、庭園設計、景観設計、都市設計、換地設計、造成設計、工程設計、信頼性設計、ソフトウェア設計、音響設計、CPU設計、損傷許容設計、データベース設計、トップダウン設計とボトムアップ設計、フォールトトレラント設計、熱設計、耐震設計、回路設計、集積回路設計、人生設計、医薬品設計、オブジェクト指向分析設計、光学設計・レンズ設計、物質設計、コンクリート工や骨材での配合設計、クロック同期設計、ユーザー中心設計、ユーザインタフェース設計、クリーンルーム設計、色彩設計、図書設計、コンピュータ支援設計、ドメイン駆動設計、契約による設計、システムレベル設計、オープン設計、 樹脂設計、金型設計、などがあり、それぞれで設計の工程が異なります。
参考:wikipedia
設計の重要性とは

設計は、物を作る上で「どうやって作るか」を考える土台となるため非常に重要です。
例えば、家を建てる時にいきなり木材やコンクリートを使って作り始めたら、どんな家ができるかわかりません。
しかし、事前に作成した設計図があれば、家の形や部屋の配置を考えてから作るので、無駄を減らし、しっかりとした家が建てられるでしょう。
設計は「計画を立てること」です。
何を作りたいのか、どのように使うのか、どれくらいの材料や時間が必要かを決めることで、効率よく完成させることができます。
また、設計がしっかりしていると、問題が起きにくくなり、修正も簡単にすることが可能です。
スマートフォンや車など、身近な製品も設計があるからこそ、便利で使いやすく作られています。
逆に、設計が甘いと、製品が壊れやすくなったり、使いづらかったりする可能性もあるのです。
だからこそ、きちんと設計することは、物の完成度を高める鍵になります。
設計を大事にすることで、時間やお金の節約にもつながり、より良いものを作れるようになるでしょう。
設計の種類とは

先にも述べましたが、ここでは設計の種類について解説します。
今回解説する種類については以下の通りです。
- 建築設計
- 製品設計
- 設備設計
- 機械設計
- ソフトウェア設計
それぞれを詳しく見ていきましょう。
建築設計
建築設計とは、建築物を設計するためのプランを考案し、そのプランの作図を行う職種です。
建物の設計には「意匠」「構造」「設備」の3つの要素があり、建築設計はこの3つの総称を指します。
これらの設計は複数人で行う場合が多く、基本的には設計者の中でも「意匠設計」「構造設計」「設備設計」というように分業して行います。
なお、一級建築士などの資格を目指す方はこれらすべての知識が必要になるため、建築設計者を目指す人は、まずは幅広く学習した上で自身の得意分野を伸ばすとよいでしょう。
また、建築設計の他にも「土木設計」があります。これは橋梁、道路、ダムなどのインフラ設備に特化した設計で、建築設計とは設計対象物が異なります。
建築設計はあくまでもビルや商業施設などの「建築物」を設計する仕事なので、混同しないようにしましょう。
製品設計
製品設計は「不特定多数に販売するような機械を設計すること」を指します。
例えば、スマートフォンや自動車そのものの設計などがこれに該当します。
設計対象の製品の中には、B2C(一般消費者向け)のものもあれば、B2B(企業向け)のものもあります。
自身が設計した製品を多くの人に認知してもらいたい、使ってもらいたいと考える人は、B2C向けの製品設計に携わる人が多いです。
また、製品設計の場合、設計対象となる機械のサイズは比較的小さいことが多いです。
不特定多数に販売される製品は、大きくてもせいぜいバスやトラックぐらいになります。
さらに、1つの製品の中でも構成部位ごとに設計担当が分かれていることも多いです。
例えば、自動車を例に挙げると、シャシー、トランスミッション、エンジン、インテリア、エクセテリアなどの部位がありますが、基本的にそれぞれ別の企業や別の部署で設計開発が進められています。
そのため、製品設計の場合は、1人の設計者が担当するのは1機種の機械の中でもごく一部になることも珍しくありません。
設備設計
設備設計とは「生産設備を作るための機械設計のこと」を指します。
例えば、スマートフォンを製造するためには各パーツの製造、搬送、組み立て、洗浄、検査など、複数の工程が必要になりますが、こういった複数の工程を自動的かつ効率的に処理するために導入される機械が生産設備であり、その機械の設計を設備設計と呼ぶのです。
設備設計の場合はほぼ100%がB2B向けであるため、自身が設計した機械が世の中に広く認知されるケースは非常に少ないですが、製品設計にはない魅力もあります。
設備設計の場合、製造する製品の大きさや要求される性能により機械のサイズはピンキリです。
例えば、小型の製品を半自動(材料のセッティングなど、一部の作業を人が行う想定の機械)で検査する装置でしたら6畳ぐらいのスペースに収まる大きさの機械になります。
一方で、自動車部品の組み立てラインなどのような全自動の生産ラインとなると、長さが何十メートルにも及ぶ巨大な機械になることもあります。
さらに、設備設計の場合は1人の設計者が担当する範囲は製品設計と比べて広いことが多く、部品点数で数百点規模になるような設計を1人で担当することも珍しくありません。
ただし、プロジェクトによっては1つの機械の設計を複数人で担当し、設備の機能ごとに分かれて設計を進めていくこともあります。
機械設計
まず「機械」とは、一般的に「動力を受けて、目的に応じた一定の運動・仕事をするもの」とされています。
身近な機械の具体例としては、冷蔵庫や洗濯機・自家用車などが挙げられます。
また、普段目にする機会は少ないですが、農業用機械・医療用の精密機械・プラントの大型設備などの工業用途、PCやスマートフォンなどの情報処理用途の機械と、さまざまな業務用機械も存在します。
そして「設計」とは、「建造物の工事、機械の製造などに際し、対象物の構造・材料・製作法などの計画を図面や文書に表すこと」とされます。
つまり「機械設計」とは、「動力を受けて、目的に応じた一定の運動・仕事をするもの(機械)に対して、構造・材料・製作法などの計画を図面や文書に表す行為」と言えるのです。
近年では、先の具体例に挙げたほとんどの機械が「メカトロニクス」という技術分野に位置します。
メカトロニクス(mechatronics)とは、機械工学(mechanics)と電気工学(electronics)を掛け合わせた合成語で、機械工学分野の機器にICなどの電子工学分野の部品を搭載し、多機能・高性能な機器開発を目的とした技術分野です。
電気(制御)設計が、このメカトロニクス分野において機械に「魂」を吹き込む位置付けにあるとすれば、機械設計は外見やサイズなどの「器」をデザインする位置付けにあると言えるでしょう。
ソフトウェア設計
これまで紹介した設計と分野が異なりますが、ソフトウェア設計についてもご紹介しましょう。
ソフトウェア設計とは、開発するソフトウェアに実装する機能を実現するための、具体的な構造を決めることです。
具体的な構造を決めることで初めて、開発するソフトウェアの製品としての形が明らかになります。
構造が曖昧なまま開発してしまうと、最終的に完成するソフトウェアの形がイメージできません。
完成形がイメージできない状態では、ソフトウェアの品質も明確にならないため、品質を保証するのが難しくなります。
ソフトウェア設計では、開発するソフトウェアの構造を明確にすることで品質を作りこむのです。
つまり、ソフトウェア設計の目的とは、開発するソフトウェアの品質を決めることと言っても過言ではないでしょう。
ソフトウェア開発では、プログラミング言語を中心とした幅広いITの知識が求められます。
プログラミング言語だけでなく、開発周辺の知識やOSに関する知識も欠かせません。
最適なソフトウェアを提案するには、複数のプログラミング言語やOSの最適解を考え、システムを構築する必要があります。
機械設計では3Dプリント技術が活躍

機械設計ではデザインレビューを行い、評価と修正を繰り返しながら商品化を目指します。
その際に試作品を用いることで意思疎通の正確性は高まり、結果として手戻りが減り、スピーディな商品化が可能になります。
従来は、試作品のために金型を用意したり、機械加工を行ったり、外部の試作業者に依頼したりする必要があり、時間とコストがかかっていました。
そのため頻繁に試作品を作り、検証することができない、という問題がありました。
しかし、3Dプリント技術が出てきて、その技術が進んだことで試作に対する考え方が一変します。
3Dプリンタを活用すれば、コストを抑えながら数時間から一晩で造形モデルを作成でき、実物で検証を重ねながら慎重にレビューを進めることが可能になったのです。
このように、機械設計では3Dプリント技術が大いに活躍しています。
まとめ

今回は「設計」についてその意味をしっかり理解したい、という方向けに
- 設計とは
- 設計の重要性とは
- 設計の種類とは
- 機械設計では3Dプリント技術が活躍
などを解説しました。
設計は何かを作る上で非常に重要な工程です。
そして設計して試作品を作る時には3Dプリントの技術が活躍する場面もあります。
これから何らかの製品を作りたい、そして試作品を作りたい、と考えている方は3Dプリントの技術を活用してみるのはいかがでしょうか。
本記事が、「設計」についてその意味をしっかり理解したい、という方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。