3Dプリントサービスの価格相場とは?業者の比較ポイントなども解説
立体的なものを作り出せる3Dプリントサービスは、今や様々な分野で活用されています。
その3Dプリントですが、購入費や材料費を考えるとハードルが高いから外注するときの相場が知りたい…そうお考えの方も多いのではないでしょうか。
今回は、3Dプリントの代行について
・3Dプリンターを自分で購入するのと外注するのはどちらがおすすめ?
・3Dプリントサービスの価格相場はどのように決まる?
・3Dプリントサービス価格算出方法とは
・3Dプリント代行業者を選ぶポイント
などを解説します。
これから3Dプリントサービスの利用を考えていらっしゃる方や価格の相場を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
3Dプリンターを自分で購入するのと外注するのはどちらがおすすめ?
3Dプリントの技術を活用する場合、外部の出力サービスを利用する「外注」の他、3Dプリンターを「自社購入」または「リース」するなどの手段が考えられます。
それでは、その中で最もコストパフォーマンスが良い手段はなんでしょうか?
その際に検討すべきは3Dプリンターの「稼働率」です。
頻繁に3Dプリンターを稼働する必要がある企業であれば、「リース」や「自社購入」も視野に入れても良いでしょう。
しかし3Dプリンターをあまり稼働しない場合や、初期費用・ランニングコスト、3Dプリンター人材の人件費までを考慮すると、「外注」の方が安くなるパターンが多いです。
3Dプリンターを自分で購入するのと外注するのはどちらがいいか迷われた場合は、どれくらいの頻度で3Dプリンターを稼働させる予定なのかを考えてみましょう。
3Dプリントサービスの価格相場はどのように決まる?
ここでは、3Dプリントサービスを利用するにあたっての価格相場について解説します。
3Dプリントサービスの価格相場は、数千円~数十万円です。
ただし、用途や素材、造形サイズなど複数の要素が価格に影響するため、価格の幅が大きくなります。
3Dプリントサービスの価格に影響する要素は以下のものがあります。
・用途
・材料
・造形サイズ
それぞれを詳しく見ていきましょう。
用途による違い
3Dプリントサービスの価格は、用途によって異なります。
例えば人形やジュエリー、スマホケースなど、用途によってサイズや形状に違いが生じるからです。
試作品(プロトタイプ)の作成は、製品やアイデアのデザインを検証するために行われますが、この場合、特に高精度は求められないことが多く、コストを抑えた材料が使用されます。
小さなモデルなら価格相場は数千円~1万円程度、大きなものや複雑なものは1万~3万円程度です。
実際に機械や装置の一部として機能する部品を作る場合、強度や精度が求められるため、価格が上がります。
小型部品でも1万円以上、大型または複雑な部品は5万~10万円以上に達することもあります。
3Dプリントサービスの価格は、試作品や趣味向けなら比較的安価に済む一方で、機能部品や医療用モデルなど精度や強度が必要な場合は高額になると覚えておきましょう。
材料による違い
3Dプリントサービスの価格は、使用する材料によっても価格が変動します。
材料は材料自体の価格だけでなく、強度、精度、見た目、耐久性などに影響を与えるため、用途に応じて適切な材料を選ぶことが重要です。
安価なPLA(ポリ乳酸)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、試作品や教育・趣味向けに適しており、数百円~数万円程度の費用で済むことが多いですが、ナイロン、カーボンファイバー、金属などの高価な材料は、機能部品や工業用途で使用され、数万円~数十万円に達することもあります。
使用用途に応じて適切な材料を選び、予算に合った3Dプリントを実現しましょう。
造形サイズによる違い
3Dプリントサービスの価格は、造形サイズによっても価格が左右されます。
サイズが大きくなるほど、材料の使用量やプリント時間が増加し、結果的にコストが高くなる傾向があります。
小型の造形は数千円~1万円程度で済むことが多いですが、中型や大型の造形になると、数万円から数十万円に達することも。
造形サイズが大きくなるほど、材料費、プリント時間、サポート材の使用、後処理の必要性などが価格に影響を与え、コストが増加します。
用途に応じて、適切なサイズと予算を考慮して依頼することが大切です。
3Dプリントサービス価格算出方法とは
ここでは、3Dプリントサービス価格算出方法について解説します。
具体的には以下の費用が算出時に関わってきます。
・3Dデータ費用
・3Dプリント費用
・オプション費用
それぞれを詳しく見ていきましょう。
3Dデータ費用
3Dプリント用のデータを持っていない場合は、データ制作を依頼できる業者もあります。
価格相場は数万円以上が目安です。
たとえば、3Dプリンターでスマホケースのデータ制作を依頼する場合の費用は45,000円〜になります。
用途やサイズによっては、10万円以上かかるケースもあります。
用途や求めるクオリティによっても価格が異なるため、ホームページや問い合わせで確認しましょう。
3Dプリント費用
3Dデータを元に、実際に3Dプリントを行うのにかかる費用です。
価格相場は数千円から、数十万円以上かかる場合もあります。
前述した通り、用途や材料、造形サイズによって価格は変動するので、それぞれをしっかり確認しましょう。
オプション費用
研磨や塗装などの仕上げ加工や、3D測定などのオプションサービスに対応している業者もいます。
こちらの費用も用途や素材、加工内容によって価格は変わります。
また、製作内容によってはオプション加工が必須となる場合もあるので事前に確認しましょう。
3Dプリント代行業者を選ぶポイント
ここでは、3Dプリントサービスを提供している業者を選ぶポイントについて解説します。
具体的には以下の通りです。
・対応素材
・寸法精度
・納期のスピード
・3Dプリンターに対するファイル形式
・オプションサービス
・トラブル時のフォロー
それぞれを詳しく見ていきましょう。
対応素材
3Dプリントサービスを提供している業者を選ぶポイントとして、用途に合わせた素材に対応しているかどうかを確認することが挙げられます。
3Dプリンタにおける素材とは、一般的な2Dのプリンタでいうインクのような存在です。
3Dプリンタは素材を固めることで立体的に製作します。
業者によって対応できる素材は違います。
3Dプリンタの素材は以下のようなものがあります。
・ASA樹脂
・PLA樹脂
・ナイロン樹脂
・石こう
・PP
素材によってメリットデメリットがあり、対応できる素材が多いほど幅広い種類のものを作成することが可能です。
寸法精度
3Dプリントサービスを提供している業者を選ぶポイントとして、目的に応じた寸法精度の高さを選ぶことも大切です。
例えば出力した部品を使って組み合わせの確認を行いたい場合、寸法精度は高い必要があります。
逆に部品のイメージを確認したいなど精密さを求められない場合は、寸法精度はあまり重要ではありません。
寸法精度は主に以下の5つの要素から決まります。
・解像度
・積層ピッチ
・造形物が冷えるときの反り返り
・サポート材の取り残し
・造形後の変形
上記の要素は、主に使用する装置によって違いが生じます。
ホームページなどから、使用している3Dプリンターのスペックを確認しましょう。
納期のスピード
試作品の作成などを迅速に進めたい場合などは、納期の確認は重要です。
納期は会社や製作物によってさまざまで、翌日に納品できるケースもあれば、1~2週間かかるケースもあります。
特に高精度な造形では時間がかかることが少なくありません。
必要な期限に間に合うかどうか、事前に確認しておくことが大切です。
3Dプリンタに対するファイル形式
自社で3Dプリンタのデータを用意する場合、業者が対応しているファイル形式を事前に確認することがポイントです。
3DデータにはSTL方式やOBJ方式など数十種類のデータの種類がありますが、使用する3Dプリンタによって対応しているデータの種類は異なります。
必要な形式に対応しているかどうか、事前に確認しておきましょう。
オプションサービス
データ作成や仕上げ加工を行ってくれるのかなど、業者によってオプションサービスの豊富さが違います。
具体的には、以下のようなサービスです。
・3Dデータ作成
・仕上げ加工
・3D測定
自分が利用したいオプションサービスに対応している業者を選びましょう。
トラブル時のフォロー
3Dプリントサービスは、熟練の担当者であっても予期せぬことが発生するケースも少なくありません。
安価なサービスを利用すると、定型的な対応しかされないことや「明らかに失敗といえる造形物が届いた」ということもあるといいます。
保証や失敗時のサポートも気にしたいポイントです。
まとめ
今回は、3Dプリントサービスの利用を考えていらっしゃる方や価格の相場を知りたい方向けに
・3Dプリンターを自分で購入するのと外注するのはどちらがおすすめ?
・3Dプリントサービスの価格相場はどのように決まる?
・3Dプリントサービス価格算出方法とは
・3Dプリント代行業者を選ぶポイント
などを解説しました。
3Dプリントをしてみたいけど、自分で3Dプリンターを購入するのはハードルが高い…と考えている方は、本記事で紹介した価格の算出方法や業者の選び方を参考に「外注」することを考えてみてはいかがでしょうか。
本記事が3Dプリントサービスの利用を考えていらっしゃる方や価格の相場を知りたい方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。