3Dプリントを外注するときの価格相場やコツなど徹底解説

立体的なものを作り出せる3Dプリントの技術は、今や様々な分野で活用されています。

その3Dプリントを外注するときの価格相場や、外注するときのコツなどを知りたい方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、3Dプリントを外注するにあたって

・3Dプリントを外注するときの価格相場

・3Dプリントを外注するメリット

・3Dプリントを外注するデメリット

・3Dプリントを外注するコツ

などを解説します。

これから3Dプリントを外注したいと考えていらっしゃる方や価格の相場を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

3Dプリントとは

「3Dプリント」は、「積層造形」とも呼ばれ、デジタルなモデルに基づいて材料を重ねていくことで、物理的な(3D)オブジェクトを作成することを指します。

材料のブロックから削り出して最終製品を作成する切削加工とは異なり、積層造形では材料を付加していくことで最終製品を作り出していくプロセスです。

3Dプリントは、専用のソフトウェアを使用して行います。

個人用から業務用まで幅広い設定に対応しているため、様々な用途に利用することが可能です。

個人的な用途としては、カスタムメイドのアイテムを作成したり、教育用のモデルを作成したり…といった用途に利用されます。

プロフェッショナル向けの用途としては、医療分野ではカスタムメイドの医療用補装具や、自動車・航空宇宙分野のプロトタイプ、軽量構造、建築分野ではモデルやコンポーネントの製造に使用されることが多いです。

3Dプリントを外注するときの価格相場

ここでは、3Dプリントを外注するにあたっての価格相場について解説します。

3Dプリントを外注するときの価格相場は、数千円~数十万円です。

ただし、用途や素材、造形サイズなど複数の要素が価格に影響するため、価格の幅が大きくなります。

3Dプリントを外注するときの価格に影響する要素は以下のものがあります。

・用途

・材料

・造形サイズ

それぞれを詳しく見ていきましょう

用途による違い

3Dプリントを外注するときの価格は、用途によって異なります。

例えば人形やジュエリー、スマホケースなど、用途によってサイズや形状に違いが生じるからです。

試作品(プロトタイプ)の作成は、製品やアイデアのデザインを検証するために行われますが、この場合、特に高精度は求められないことが多く、コストを抑えた材料が使用されます。

小さなモデルなら価格相場は数千円~1万円程度、大きなものや複雑なものは1万~3万円程度です。

実際に機械や装置の一部として機能する部品を作る場合、強度や精度が求められるため、価格が上がります。

小型部品でも1万円以上、大型または複雑な部品は5万~10万円以上に達することもあります。

3Dプリントを外注するときの価格は、試作品や趣味向けなら比較的安価に済む一方で、機能部品や医療用モデルなど精度や強度が必要な場合は高額になると覚えておきましょう。

材料による違い

3Dプリントを外注するときの価格は、使用する材料によっても価格が変動します。

材料は材料自体の価格だけでなく、強度、精度、見た目、耐久性などに影響を与えるため、用途に応じて適切な材料を選ぶことが重要です。

安価なPLA(ポリ乳酸)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、試作品や教育・趣味向けに適しており、数百円~数万円程度の費用で済むことが多いですが、ナイロン、カーボンファイバー、金属などの高価な材料は、機能部品や工業用途で使用され、数万円~数十万円に達することもあります。

使用用途に応じて適切な材料を選び、予算に合った3Dプリントを実現しましょう。

造形サイズによる違い

3Dプリントを外注するときの価格は、造形サイズによっても価格が左右されます。

サイズが大きくなるほど、材料の使用量やプリント時間が増加し、結果的にコストが高くなる傾向があります。

小型の造形は数千円~1万円程度で済むことが多いですが、中型や大型の造形になると、数万円から数十万円に達することも。

造形サイズが大きくなるほど、材料費、プリント時間、サポート材の使用、後処理の必要性などが価格に影響を与え、コストが増加します。

用途に応じて、適切なサイズと予算を考慮して依頼することが大切です。

3Dプリントを外注するメリット

ここでは、3Dプリントを外注するメリットについて解説します。

具体的には以下の通りです。

・豊富な造形方式・材料を選べる

・自社での設備導入や専門技術者が不要

・仕上がりが保証されている

それぞれを詳しく見ていきましょう。

豊富な造形方式・材料を選べる

3Dプリントサービスを利用することで、金属や樹脂、石膏や紙など様々な材料を用いて造形を行うことが可能です。

一方で、造形方式によって導入が必要な設備や扱える材料、また造形できる形状などの特徴が異なるため、ひとつの3Dプリンタで目的を実現できない場合があるため、複数の設備を平行して導入する必要があります。

3Dプリントの技術は以前に比べて導入が進んでいますが、対応する造形方式や必要な造形精度によってはまだまだ高額な設備です。

また、造形後の後加工が必要な場合には、後加工を行うための設備も必要となり、初めから高額の設備を導入するのはリスクがあります。

そのため、3Dプリントサービスの出力/造形サービスを利用すれば、自社で設備を導入せずに造形物を入手することが可能です。

複数の設備が必要な造形物であったとしても、対応しているサービスを提供している事業者に依頼すれば、自社単独では難しい造形もコストを抑えながら実現することができるでしょう。

自社での設備導入や専門技術者が不要

3Dプリンタは造形方式に応じた設備の導入が必要であり、後工程が必要な場合や高い精度の実現が必要な場合には、設備本体の導入に大きな費用が必要です。

さらに、専門性の高い設備を扱う場合には専門知識を持った技術者が必要であり、自社で育成するには長い期間が必要になります。

もし、外部から3Dプリンタの専門知識を持った人材を獲得しようとしても、自社の需要に合った人材を見つけるのは難しく、見つかったとしても採用には大きなコストがかかることが懸念されます。

このように、自社単独で設備導入や専門の技術者を確保するのは困難であり、かけた分のコストを回収できない可能性が高いです。

3Dプリントサービスの出力/造形サービスを利用することで、大きな初期投資は不要になり、必要な分だけ依頼できる点は大きなメリットになるでしょう。

仕上がりが保証されている

3Dプリントは印刷の特性上、形状によってはサポート材というものを印刷する必要があります。

サポート材とは、製品の形状としては不要ですが、印刷するために仕方なく必要な部分です。

家庭用の3Dプリンタでは、印刷後にサポート材を除去するという面倒な作業が待っています。

3Dプリントサービスでは、サポート材除去まで行い、完成品を送ってくれるので面倒な作業をする必要がありません。

そのため、仕上がりが保証されている点では大きなメリットといえるでしょう。

3Dプリントを外注するデメリット

ここでは、3Dプリントを外注するデメリットについて解説します。

具体的には以下の通りです。

・時間がかかる

・仕上がりにばらつきがある

・コストがかかる

それぞれを詳しく見ていきましょう。

時間がかかる

3Dプリントを外注すれば、完成までに時間がかかる場合がある点がデメリットです。

業者は工程ごとに担当者や部署が分かれているケースも多く、依頼すれば各工程を通過しなければ製品は完成しません。

特にデータ作成から依頼すればデータ作成後に実際の工程に移るので、ある程度の時間がかかる点を認識しておきましょう。

仕上がりにばらつきがある

仕上がりにバラつきが発生する点も、3Dプリントを外注するときのデメリットの1つです。

作成業者によってスキルや経験が異なるので、業者次第で必然的に仕上がりの品質にバラつきが生じます。

製品の品質は設備の機能性によっても異なるので、業者が使用している機械次第で仕上がりがバラつく点も把握しておきましょう。

また、業者ごとの得意ジャンルを把握し、そのジャンルの製作を依頼すれば高品質な造形が期待できます。

コストがかかる

3Dプリントを外注すると、色々な手間賃が入っている分どうしても割高です。

3Dプリントを頻繁に使用する人は、個人で3Dプリンタを買った方が長い目で見て安いかもしれません。

ただ、サポート材の除去の時間や自分自身の人件費を考慮すると、そう変わらないかもしれません。

その辺りは自分のスタイルと相談が必要です。

3Dプリントを外注するコツ

ここでは、3Dプリントを外注するコツを解説します。

具体的には以下の通りです。

・担当者の対応を確認する

・複数社から見積もりをもらう

・口コミや評価を確認する

それぞれを詳しく見ていきましょう。

担当者の対応を確認する

3Dプリントを外注するコツの1つ目として、問い合わせをしたときの担当者の対応を確認することです。

これは、担当者とのコミュニケーションを取りやすいかどうかで仕事の進み方も変わってくるうえ、なにかしらのトラブルが起きた際にも対応しやすいからです。

例えば、2社の各担当者に同じ問い合わせを相談したときに「A社よりB社の方が素早い対応」など差が出てきます。

また、注文者と担当者の相性もあるため、自らに合った人物を選ぶよう、複数の業者の担当者に問い合わせ、会話をする中で判断していきましょう。

さらに注文した後もアフターフォローがあるのか、確認を忘れないでください。

注文者は造形物が届いた後も、問題があった場合に相談しやすくなるからです

複数社から見積もりをもらう

3Dプリントを外注するコツの2つ目として、複数社から見積もりをもらうことです。

なぜなら、各業者によって見積もり金額に差が生じるからです。

3dプリンター作成の業者によって料金制定が違うため、比較することは大事な要素になります。

また、相見積もりすることで、値下げ交渉もしやすくなります。

なぜなら、ライバルの業者に負けずに仕事を請け負いたい場合、値下げしてくる場合もあるためです。

口コミや評価を確認する

3Dプリントを外注するコツの3つ目として、業者の口コミや評判を集めることが挙げられます。

なぜなら、実際に業者を利用した人の意見を参考にできるからです。

業者の口コミや評判を集める方法としては、インターネットを活用すると効率的に情報収集ができるでしょう。

まとめ

今回は、これから3Dプリントを外注したいと考えていらっしゃる方や価格の相場を知りたい方向けに

・3Dプリントを外注するときの価格相場

・3Dプリントを外注するメリット

・3Dプリントを外注するデメリット

・3Dプリントを外注するコツ

などを解説しました。

3Dプリントを外注依頼する場合は、メリットとデメリットを把握しましょう。

そして3Dプリントを外注する場合は、複数の業者から見積もりを出してもらってください。

さらに複数の業者の口コミや評判を集めることで、どの業者に決めるか決断しやすくなります。

信頼できる業者に外注依頼すれば、高精度で効率的な製品造形が可能なので本記事を参考にして最適な依頼先を選択してください。

本記事がこれから3Dプリントを外注したいと考えていらっしゃる方や価格の相場を知りたい、と考えている方の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。